転職支援サービスを利用し、自分を客観視してみる
IT業界で経験を積んで行くにつれ、誰でも1度は、「隣の芝が青く見える」ことがあると思います。
青く見えてしまう理由は色々あるかと思いますが、その時の気持ちに任せて転職してしまうのも後悔につながる場合があります。
そんな時、どこかに公開されるわけでも無く、人知れず活動出来る「転職支援サービス」は非常に都合の良いサービスとなります。
私も以前、このサービスを利用したことがありますが、このサービスを利用する一番のメリットは、なんといっても、「自分の市場価値がわかる」ことです。
相手から見ると、私たちは商品ですから、スキルや経験をシビアに判断して、合致する企業を紹介してくれます。それで成功報酬を受け取る商売ですから、適当なことはしてきません。
この時、もし紹介出来る企業は無いと言われれば、自分の経験やスキルは大して外から見ると売り物にならないということがわかります。これだけでも大きな収穫です。
今いる企業に必死でしがみつくか、大きくスキルチェンジを図るか、いずれにせよ、現状把握と選択肢がハッキリするからです。
それでは、自分で転職先を探すのではなく、転職支援のサービスを利用する利点を考えてみてみたいと思います。
給料交渉の面でサポートが有る
給料の問題はやはり生活に関わる部分ですから、転職の理由となりやすい部分です。
日本のIT業界の場合、構造的に多重下請けになっている場合が多いですから(「IT業界の構造について」で書いています)、給料面での待遇を上げたい場合は、少しでも上位の会社に転職することが手っ取り早い選択です。
特に、地元のIT企業より、大手の派遣会社のほうが給料が高いという場合も有りますから(経験済み)、十分な情報収集や検討が必要となります。
しかし、一般的に転職の際、自分から給料を交渉するということは難しく、受け身になりがちな部分です。そんな時、転職支援サービスを利用することで、事前の情報収集や交渉を有利に進めることが出来るようになります。
以前、既に決まっている会社があったのですが、給料が妥当なのか知りたくて、同様のサービスに登録したことがありました。転職の条件は給料を重視していると伝え、サポートを受けたことがあります。
今思うと、親身に対応してもらったので、ちょっと悪かったなーと反省していますが、間に立つ人が居るだけで、条件が左右することを実感できたのは確かです。
一流企業・大企業へのアクセス
大企業での経験は決して無駄にはならない
スキルが無い状態で、初めから一流企業に入社できるのは優秀な新卒学生位で、殆どが、下から這い上がるケースになるはずです。
私は運良く、初期の段階で一流企業に派遣されたため、大企業の仕事を体験することが出来ました。誰もが知っているような製品に携わることができ(沢山の歯車の1つに過ぎませんが 笑)、それなりに大企業の良い面、悪い面を体験しました。
その時の体験は、今でも役に立っていますし、エンジニアとしての幅も間違いなく広がりますから、動ける内に、少しでも規模の大きな会社を目指すことを視野に入れても損は無いです。
スキルがあれば、小さな会社にはいつでも移れますし、やりたいことがあるなら、自ら起業する選択もあります。その時の助けになるのが、大企業のでの作業経験だと感じています。
大企業でも求人は行なっている
少し脱線しましたが、そんなステップアップの助けになるのが転職支援サービスです。
オイオイ、大企業が人を募集しているのかよと思うかもしれませんが、意外と名のある企業でも空洞化が進んでいる場合があります。
人は皆贅沢です。先程、一流企業に派遣されていたと言いましたが、その際、多くの正社員が辞めてゆくのを見ました。理由は様々、実力があるのに昇進出来ない、別にやりたいことが見つかった、起業するなど、仕事が出来る人ほど、消えていくのが早かった印象があります。
私から見ると「もったいない!」と感じることが多かったですが、当の本人は未練など無い訳です。その為、意外と働き盛りの正社員が不足するという事態が発生します。もしくは、仕事が出来ない人が残ったりとか…。
ですから、求人は意外とあります。ただし、大手企業が常時求人をあからさまな形で出すのは、内部に問題があると取られかねないと言うことは想像出来るかと思います。
そういった際、企業側は転職支援サービスを利用します。「非公開求人が…」とよく宣伝されていますが、こういう現状もあるのです。
総合的なサポートで「転職活動」の中身を強化出来る
ネガティブな理由で転職することもある
私は、未経験でIT業界に入れたのであれば、なんとか歯を食いしばって、その場でまずは頑張れと言いたいですが、既にSEやプログラマーの経験があるならば、無理して我慢することは無いと考えています。
例えば、「忙し過ぎる」、「仕事が最新のスキルではないから、つまらない」、「人間関係が辛い」等、環境を変えたくなる理由は沢山あります。
しかし、それらを理由に転職する場合、たとえ理由が本当であっても、面接する側からネガティブな人間だと捉えられてしまう可能性があります。少なくとも私は、上記の理由をプラスに変換して面接でしゃべる自信はありません。
私は立場上面接をする機会が結構あるのですが、「前職が忙し過ぎて、体を壊して…」と言われたら、踏ん張りの効かない人間は要らないと感じますし、「最新のスキルで仕事を云々」と聞けば、すぐに辞めそうだと感じます。また、「人間関係が…」と言われれば、採用しても同様のリスクがあると考えてしまいます。
そういった際、転職のプロと一緒に考え、アドバイスが貰えますから、ネガティブな内容でも良い方向に変換してくれます。
正直、相手は毎日他人の転職の事を考えて働いています。自分では到底、思いつかないような視点や、言い回しというものが出てくると思います。
思い込みや独りよがりのチェックが出来る
自分はうまく表現出来ると思っていても、油断は禁物です。私が過去に転職サービス利用した際、職務経歴書の添削を受けたことがあります。内容には自信ががあったのですが、かなりのダメ出しがありました。
また、模擬の面接も受けたことがあります。それも自信満々で望んだのですが、面接時、自分が意識していない癖(顔を触る)が出ていると指摘されました。それはどうやら、話す内容に自信がないからだそうです(既に転職先が決まっているとバレたかと思いました 笑)
それぞれのサービスを受け、さすが「転職支援を名乗るだけはある!」とその時、実感したものでした。
鷹の群れにカラスは居ない
以上の通り、転職支援サービス自体には、特にデメリットは無く、ローリスクかつ、得るものが大きいと私は考えていますが、「転職」行為自体には、やはりデメリットはつきまとうものです。
しかし、人が変わるには、動くこと・環境を変えることが最も有効です。それなりの環境には、それなりの人が集まります。鷹の群れに、カラスは居ません。群れの中で揉まれれば、嫌でもスキルは身につくものです。
もう、何年も前のことですが、私も自分の中でそれなりにスキルが身についたと思った段階で、転職を体験しました。転職先で、私が「ドライバが無いです」と尋ねたら、「無いなら自分で書け」と言われた時、ここで頑張ればより低いレイヤを学べると興奮しました。
今の時代、このようなやり取りは少ないかと思いますが、どんな言語・開発環境であっても、上には上がいて、知らない世界が広がっていると私は思います。エンジニアであるなら、上を目指すことに躊躇する必要はありません。
今の環境に満足出来ない自分が居るなら、1度、転職支援サービスを利用してみてはいかがでしょうか?
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