メーカー系の業務内容あれこれ

工場

こちらで、ベンチャー系の職場環境・業務スタイルについてご紹介しましたが、今度はメーカー系の業務内容についてご紹介したいと思います。

今でこそ、ベンチャー系企業で働いていますが、私がIT業界に入り初めて経験した職場は大手のメーカーでした。

ですから、私のスキルの下地となってるのはここで得た色々な(ひどい目にあった 笑)経験です。

そこで、私が経験した範囲内ではありますが、メーカー系の職場環境や仕事のスタイルを、ご紹介したいと思います。

職場環境など

基本的にスーツで過ごす毎日でした。スーツのほうが、余り考えることが無いので、逆に楽と言えば楽ですが、やはり夏場は暑くて大変でした。

あと、IT系なのですが、作業服を着ている様な人もいて何となく工場っぽい雰囲気の中で作業をしていました。

大手だと、社内に社員食堂や売店、銀行のATMがあったりして、会社の敷地内である程度のことができてしまう…そんな環境でした。

とは言っても、お菓子を食べながら仕事をしている人も沢山いましたし、緊張感あふれる職場というわけでもありませんでした。そこはやはりIT系ならではのユルさみたいなものは感じましたね。

大量のメールと度重なる会議

コミュニケーションの基本はメールが中心で、直接関係があるもの/無いもの含めて、一日、数百通のメールが飛んでくる様なところでした。

どちらかと言うと、言った言わないの齟齬を防ぐため、確証としてなんでもメールの文面に残しておく…そんな文化だったような気がします。

そのお陰で、大量のメールを捌くスキルが身につきました。今でも結構役に立っていると思います。

併せて、それなりに会議や打ち合わせも多く、仕事に慣れ中堅どころになってくると、コードを書いているより、会議室にいるほうが長いのでは?と思えるほど会議に意外と時間がとられる状況になって行きました。

厳重なセキュリティ

基本的にセキュリティの事故(問題)は、使う側の意識に問題がある場合が多いのですが、少しでも事故を防ぐため、環境面での制限やツールの導入が進んでいました。

アクセスはある程度監視されており、2chやyoutube等へアクセス出来なかったり、gmailへのアクセスも遮断されるようになっていました。

場合によっては、ネットに繋がらない(社内のリソースにしかアクセス出来ない)なんてこともあり、気軽にweb検索も出来ないような状況も多々経験しました。

作業効率や利便性が下がったとしても、情報漏えいやセキュリティ事故が起こらないように、制限をかけるという考え方が根底にあったと思います。

作業について

最初に書きましたが、私は未経験でこの業界に入ったため、最初からプログラミング作業をしたわけではなく、様々な業務をこの環境で体験しました。

具体的には、テストに始まり、インフラのような仕事、プログラミング、管理職的な作業とよくあるひと通りの作業を行いました。

これは、自分に取って非常に良い経験となりました。かなり幸運でしたし、同時に派遣社員であっても仕事を広げる努力をしたからとも言えるかもしれません。

それでは印象に残っていることをいくつか上げてみたいと思います。

コーディング以外の作業に時間をかける

開発作業において、各種ドキュメント(仕様書など)の作成はどんな環境でも、プログラミングの付帯作業として、大なり小なり発生します。そこに求められる品質(中身はもちろん体裁等も)が高く、作業全体にしめる割合が結構多い状態でした。

要は、コーディングより、意外とエクセルとかワードをいじっている時間が多いよね…。ということです。今思えば、オーバークオリティだったのかぁと思うこともありますが、それを求められる環境でした。

ちなみにこれは、実際にその場にいたときは当り前だと思って作業していましたが、ベンチャー系で働き初めて(結構ざっくりしていたので)一層、強く感じました。

プログラマーなのにドキュメント作成をする理由については、以下をご覧ください。
>>文系でもプログラマーは勤まるか?

技術力の空洞化

具体的な作業の話とは少し離れますが、数年間大手のメーカーに派遣されていて感じたことがあります。

それは、(自分の居たところではの話ですが…)技術力の中核は意外と派遣社員が握っているということです。

具体的に言うと、現場の作業を回す人間の大部分が派遣社員や協力会社の人間で構成され、メーカー側の社員さんは管理のためだけにいる、という状態です。

言ってしまえば、メーカーの社員さんは、管理作業が中心で、技術的なことを殆ど知らない様な人もいます。(全員がそうでは無く、とてもスペシャルなスキルを持っている方も大勢いますが)

これが良いのか、悪いのか私には判断出来ませんが、本来社内に蓄積されるべき技術が蓄積されず、属人的な状況になりやすい様に感じました。

わかりやすく言うと、派遣会社頼みのような状態です。

メーカー(大手)の存在意義

こうしてみるとなんだか悪いことが多い様に映るかもしれませんが、実際、仕事の進め方は厳密で、大手の技術力が低いなんてことは、絶対にありません。

なんだかんだ言って、セキュリティを厳重にしたり、コーディング以外の作業に時間をかける理由は、お客さんの情報を守ったり、納品するシステムの信頼度を上げるために行っていることですから、悪いことでは全くありません。

それに、派遣会社を多用することは、結局は、私の様な未経験が入り込む余地を作ってくれているのですから、これからIT業界に進みたいと考える人にとっては、無くてはならない存在だと私は思います。


こちらも、ご覧ください
>>IT系の業務内容あれこれ(ベンチャー編)
>>IT系派遣会社について正しく知る

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