文系でもプログラマーは勤まるか?
超一流を目指すのでなければ、問題無い
あなたが、世界的に有名なプログラマーになったり、誰もが知っているようなサービス・製品を扱うIT企業で(例えば、googleのような…)、プログラマーとして働きたいという話でなければ、心配ありません。
プログラマー/SEと言う職業を世間並みレベルでこなして行くのであれば、文系出身であろうと、無かろうと全く関係はありません。
世の中に様々な製品やサービスがあるのと同様、プログラミングの対象も多種多様です。
その中には当然、理系の知識が下地にないと勤まらないような仕事も数多くありますが、現在主流の仕事の多くが、文系の人間でも問題なく対応できる作業だと私は感じています。
尚、私も数学の知識は全く無いです。
大丈夫!無理な仕事には採用されません
確かに、新たなアルゴリズムを考えたり、超効率的な処理を生み出すには、数学的な知識・素養を持つ理系出身者の方が有利でしょう。
また、そのような仕事でも、文系出身者だからと言って、全く歯が立たないということはなく、本人の努力や経験を積むことで対応は可能だと思います。
ただ、こういった仕事の場合は、そもそも文系の人間や経験のない人間を採用していません。
勤まらないところには、最初から入れない。言ってしまえばそれだけの話しで、気にする必要はありません。ですから、心配せずに、「なりたい」という気持ちを大切にして突き進んで下さい。
必要な適性はむしろ「文書作成能力」かもしれない
プログラマーだったはずなのに??
私が日頃、感じることは、文系・理系という枠ではなく、「文書作成に抵抗がないこと」のほうが、適性としては大切ではないかと思います。なぜなら、日々の業務の大半が、文書作成に費やされることが多いからです。
本来プログラマーはひたすらコードを書くことによって、問題を解決して行く物だと、個人的には思っていますが、現実の所は、コードを書く作業より、様々な文書の作成に追われることになります。
規模が大きい開発(プログラム)になればなるほど、関わる人も多くなり、比例して文書の種類、量が増えて行きます。
ドキュメント作成が足かせに
その為、文字は苦手だとか、文書を全く書けないと言う状態であれば、当然上司から、自分が作成した文書について指摘を受けるでしょうし、その修正に余計な時間を取られる羽目になります。
その分、本来の業務であるコードを書いたり、テストをする時間、デバッグする時間が削られ、期限までに間に合わない、バグが多いプログラムになってしまう悪循環にはまってしまいます。
経験上、他人のプログラムの設計図(呼び名は色々ですが、主に仕様書と呼ばれます)を読んだとき(レビューするとか言います)、文書の体裁が酷かったり、文書自体の意味がわからないときなどは、この人の作った機能は危ないと感覚的に判ります。
言い換えると、自分の作ったものを上手く説明出来ない、ということです。なんかヤバそうですよね。
例外もありますが
でも、仕様書が超適当な状態でも、バグの無いプログラムを作れる人も当然います。
そういう人は、大抵、他人の作った部分も含め、頭の中にプログラムの全体構造を完全にインプット出来てしまう人で、何を聞いても答えが返ってくるような人なんです。特別なタイプの人ですね…。
なぜそんなに文書を作成する必要があるのか?
建物に例えてみると
プログラマーなのに文書作成なんて、気持ちが萎えたかもしれません。でも、大切なことなので、少し話をさせて下さい。
例えば、建物を作る仕事の人は、建ててお客さんに渡して終わりでしょうか?おそらく、設計図や強度を表す書類等、建てた建物を取り巻く様々な文書を添えて、完成時に渡すと思います。(ちょっと想像入ってますけど…多分そうですよね?)
プログラマーとて同じで、自分の思いつきでプログラミングしたものだけを渡すようなことは出来ません。メンテナンスも発生するでしょうから、建物と同じく、設計図に相当するものを添えて、プログラムを納入することになります。
私達はサービス業
プログラムと一緒に各種ドキュメントを添えることが、ある種、プログラムの価値を上げ、保証となり、お客さんの安心につながります。
コードを読めばわかるだろという話もありますが、お客さんはプログラマーではありませんから、それを望むのは、ちょっと難しいですよね。そもそも、コードを渡さない場合も多々ありますし。
ソフトウェア開発業というのは、情報サービス業と呼ばれています。何かと忘れがちですが、プログラマーも客商売なんです。
最後に
このように、理系・文系は関係ありませんが、文書作成は職業プログラマーとしては宿命みたいなもので避けられません。
もし、それをしていないなら、プログラマーでは無く、ただのコーダーです。設計は他人がしているということです。
もう何年も前から、日本で設計し、人件費の安い海外でコーディングするという流れがあります。この波に飲まれないよう、意識することが大切です。
尚、ドキュメント作成の話に戻しますが、自動生成したり、楽する方法は色々あります。だから、それほど身構える必要はありません。工夫のしがいがある所です。
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